国際用語

(1)OPEC
Organization of Petroleum Exporting Countriesの略称です。石油輸出国による生産・価格カルテル。1960年9月にイラン、イラク、サウジアラビア、クウェート、ベネズエラの5ヵ国により結成されました。その後、カタール、インドネシア、リビア、アラブ首長国連邦(UAE)、アルジェリア、ナイジェリア、エクアドル、ガボンが加入しました。結成当時、世界の原油はセブン・シスターズと呼ばれたメジャー[別掲参照(2) ] が支配していましたが、第三世界の資源ナショナリズムを先導する形でOPEC各国は国内の原油資源を支配下に収めていきました。二度にわたる石油危機でその地位を確固たるものにして、一時は「世界最強のカルテル」と呼ばれたこともありました。原油価格の高騰によって非OPECの生産量が拡大していったことで、OPECの世界原油生産シェアは73年の56%から85年には28%にまで低下していき、さらに石油先物市場の拡大で市場支配力を弱めることとなりました。93年にエクアドルが、96年にガボンが脱退して、現在は11ヵ国で構成されています。事務局はオーストリアのウィーンに常置されています。

(2)メジャー
石油会社の中で、探鉱・開発・生産の上流部門から精製・輸送・販売の下流部門まで、一貫操業を世界的な規模で展開する会社の略称です。特に規模が大きいエクソン、モービル、テキサコ、ソーカル、ガルフの米国系5社に、英蘭系のロイヤル・ダッチ・シェルと英国系のブリティッシュ・ペトロリアムの7社メジャーを総称して「セブン・シスターズ」と呼ばれていました。フランス石油(現トタールフィナ・エルフ)を加えて「エイト・シスターズ」と呼ばれることもありました。産油国に巨大な利権を持って世界石油市場を支配しましたが、石油危機以降はOPEC[ 別掲参照(1) ] の躍進で地位が低下しました。1984年にはガルフがシェブロン(旧ソーカル)に吸収された後、しばらくして97年のBP(旧ブリティッシュ・ペトロリアム)による米国アモコの吸収で「BPアモコ」が誕生し、これを契機に、メジャー各社は大合併時代を迎えました。98年にはエクソンとモービルによる「エクソンモービル」、2000年にはシェブロンとテキサコによる「シェブロンテキサコ」の誕生も明らかにされ、この3社と「ロイヤル・ダッチ・シェル」社は、メジャーの中でもずば抜けて企業規模が大きくなり、「スーパーメジャー」という呼称で呼ばれることがあります。

(3)バーレル
国際的な原油・石油製品の取引に用いられる体積単位です。「樽」の英名「Barrel」から出たもので、米国の呼名が世界の標準となったと言われていますが、来歴ははっきりとしていません。1バーレルは158.9873リットルで、通常は159リットル換算されます。原油や石油製品のほとんどすべての国際取引は「バーレル」「ドル」建で決済されますので、価格面で為替レートの影響が強く反映されます。原油が1バーレル30ドルで為替が1ドル110円の前提では、1バーレル1ドルの変動で「約リットル0.7円」、為替レートの5円の変動で「約リットル0.95円」の影響を受けることになります。


国内の石油関係団体

(4)石油商業組合
中小企業団体等の組織に関する法律に基づいて組織されているもので、各都道府県に一事業種に一つだけ認められています。石油商業組合は全国47都道府県に所在しています。

(5)石油協同組合
中小企業等協同組合法に基づいて組織されているもので、石油関係では全国には都道府県単位で設置されているほか、より小さな単位で地域ごとに設置されているケースもあります。

(6)全国石油協会
1948年に「日本石油協会」として発足、49年に全国石油協会に改称して現在に至ります。石油販売業界の健全な発展と消費者利益の保護を目的に公益事業を実施する経済産業省所管の社団法人として位置付けられています。品確法に基づく指定分析機関としてガソリン、灯油、軽油の品質確保のためなどの品質管理事業を行っているほか、利子補給やリース助成などの構造改善事業、特定石油製品施設放置防止事業などの給油所経営支援事業を行っています。

(7)石油連盟
国内で事業活動を展開する石油精製・元売[ 別掲参照(18) ] 24社が加盟する石油メーカーの業界団体です。

(8)石油情報センター
1981年に二度にわたる石油危機の経験に基づき、「正確かつ公正な石油およびLPガスに関する情報を平素から一般消費者に提供し、石油に対する認識を高め、石油製品の流通適正化に質する」ことを目的に、日本エネルギー経済研究所 [ 別掲参照-組合員(26) ]の付置機関として設置されました。石油関係調査ではガソリンレギュラー・灯油・軽油の都道府県市況調査を月次で、8通産局別および全国の市況調査を週次で、大口軽油価格の8通産局別および全国の調査結果を月次で発表しており、2000年8月から都道府県別の卸価格情報を月次で発表し始めました。


石油製品

(9)ガソリン
常温常圧の状態で蒸発しやすく「揮発油」とも言います。もともと無色透明の液体ですが、危険性が非常に高い性状を持っているために「オレンジ色」に着色されて、容易に灯油との見分けができるようにされています。その99%以上はガソリン車用に消費されていますが、小型の航空機用や溶剤用、ドライクリーニング用、塗料用にも使われています。公道を走行するガソリン車の燃料としてのガソリンには、ガソリン税[ 別掲参照-組合員(30) ] が課税されています。高出力エンジン用にオクタン価の高いハイオクガソリン[ 別掲参照(24) ] があり、通常のレギュラーガソリンと区別されて販売されています。

(10)灯油
無色透明の液体で、主に暖房用に使用されます。石油ストーブや石油ファンヒーター用に使用されることが多いため、国内の家庭暖房用の灯油は、「白灯油」に区分されて、硫黄分が80ppm以下で、匂いが少なく優れた燃焼性を示す世界でも最高の品質で提供されています。一般家庭向けの白灯油は「民灯」とも呼ばれることがあります。精製度の低い「茶灯油」もあります。こちらは産業用の溶剤や発動機の燃料として使われます。軽油とも性状が近いために、脱税を防止する観点から識別材「クマリン」が添加されています。経済性が極めて高いために、KHP[ 別掲参照(33) ] の燃料としても利用の拡大が期待されています。

(11)軽油
その95%がディーゼルエンジンの燃料として消費されます。ディーゼルエンジンは高出力で熱効率が良く、荷重の重いバスやトラックに向いており、またガソリンよりも軽油の税金が安いことで、自家用車でも搭載車両が増える傾向があります。ディーゼルエンジンへの灯油やA重油の脱税目的の使用を防ぐために、両油種には「クマリン」が添加されています。凍結温度の違いによって5種類に分類されており、北日本や高地などには「寒冷地仕様」の軽油が出荷されるなど、地域と季節に適合した製品が供給されています。また環境規制に対応するために、低硫黄化が1992年に5000ppmから2000ppmへ、97年からは500ppmへと段階的に進められ、2004年からは50ppmへとさらなる低硫黄化が進められます。

(12)A重油
重油の中でも軽油に近い性状で、硫黄分の低いLSA(硫黄分0.5%以下)と、硫黄分の高いHSA(硫黄分2.0%以下)の2種類に大別されます。農耕機や漁業用の中小型船舶の燃料として使用されるほか、工場やビル、ビニールハウスのボイラー・暖房などにも使用されます。

(13)C重油
船舶などの大型のディーゼルエンジン用、火力発電や大型タービン船のボイラー用、製鋼所の加熱炉用の燃料などに使用されます。

(14)ジェット燃料油
ジェットエンジンを搭載した航空機用の燃料です。通常はガソリンと灯油の中間の性状を有しますが、航空機の種別で灯油性状に近い「民間機向け」と、ガソリン性状に近い「軍用機向け」の2種類に大別されます。国内線の航空機には航空機燃料税が課税されていますが、国際線向けは無税となっています。

(15)ナフサ
原油から得られる最も軽質の液体で、粗製ガソリンと呼ばれることもあります。オクタン価[ 別掲参照(24) ] を向上させるガソリン基材の原料となるほか、その98%以上は石油化学の原料となります。プラスチック製品、化学繊維製品などに姿を変えて、みなさんの身近にも、数多くのナフサ製品があります。

(16)石油製品全般
上記で紹介しました(9)〜(15)までの製品のほかに、潤滑油、B重油、ワックス、アスファルト、LPGなどがあります。潤滑油は自動車用の「モーターオイル」[ 別掲参照(22) ] が一般的ですが、工業用を中心に種類・用途は1千種以上にもおよびます。B重油はかつては船舶のディーゼルエンジン用などに使用されていましたが、用途によってA重油とC重油に需要が移ったため、ほとんど生産されなくなっています。ワックスは蝋(ロウ)分のことで、石油系はパラフィンワックスと総称されます。アスファルトは道路の舗装用に使用されるほか、接着・粘結・防水用にも供されます。LPGは液化石油ガスの略称で、用途はプロパンガスとして家庭でもお馴染みの熱源などです。ブタンガスとも呼ばれ、タクシーの燃料としても利用されています。また、石油製品の中でガソリン、灯油、軽油は透明色で、総称して「白油」「白物」と呼ばれることがあります。これに対して重油類は「黒油」「黒物」と呼ばれます。原油の精製工程で中間に位置付けられる関係で、灯油、軽油、A重油を総称して「中間3品」「中間留分」と言います。


国内石油用語

(17)ガソリンスタンド
主に自動車用や家庭用にガソリン、軽油、灯油の燃料用の石油製品を販売するほか、オイル [ 別掲参照(22) ] ・タイヤ交換や点検整備 [ 別掲参照(26)、(27) ] 、洗車 [ 別掲参照(25) ] などの、お客様の快適なカーライフを支える拠点として、全国に約5万5,000カ所あります。山間部や離島部を含めた全国各地に所在している立地特性があり、地域に欠かせないエネルギー供給拠点としての機能のほかに、犯罪行為から弱者を保護するなどの社会貢献活動を通して、地域社会の公的機能を高める自発的な取り組みが多く見られています。「給油所」と呼ばれることもありますが、こちらは消防法で規定する「給油取扱所」の略称です。SSという呼称は、単なる燃料供給拠点ではなく、クルマ社会、地域社会で皆様に愛され、親しんでいただける「サービス・ステーション」をめざすガソリンスタンドの新しい呼称です。

(18)元売
第二次大戦後に国内での石油精製 [ 別掲参照(19) ] が再開された際に、精製設備ないしは輸入基地を持ち、製品の配給能力を有すると認められた事業者を「登録元売業者」に指定されました。現在では、石油製品の一次卸事業者を指す総称となっていますが、一般的には元売会社は原油探鉱開発、タンカー会社、精製会社、物流会社を資本支配下においており、メーカー機能までをも総称して「元売」ということが多いようです。シェアが高い順に日石三菱、出光興産、コスモ石油、昭和シェル石油、ジャパンエナジー(JOMO)、モービル石油、エッソ石油、東燃ゼネラル石油、キグナス石油、太陽石油、九州石油、三井石油があります。、昭和シェル石油、モービル石油、エッソ石油、東燃ゼネラル石油、キグナス石油の5社を、いずれもメジャー[ 別掲参照(2) ] との資本関係から「外資系元売」と呼びます。このうちモービル石油とエッソ石油は100%外国資本の石油会社です。このほかの7社を「民族系元売」と言います。最近では大手元売間での業務提携が相次いでおり、日石三菱とコスモ石油、昭和シェル石油とジャパンエナジー、米国エクソンモービル系のモービル石油・エッソ石油・東燃ゼネラル石油、出光興産の「元売4極体制」の時代を迎えています。

(19)精製
原油は重金属を含む多くの不純物が混ざっており、そのまま燃料として使用される用途先は、火力発電向けなどのごく一部です。前記の(9)から(16)までの石油製品を製造する工程を精製と言い、蒸留、分解、改質などの工程に大別されます。これらの工程を行う製造所を「製油所」と言います。

(20)製品輸入
国内には原油ばかりではなく石油製品も輸入されています。石油化学向けのナフサが大部分ですが、1996年から一定の要件を満たす場合は、ガソリン、灯油、軽油の輸入が解禁されています。それまでは「緊急時の製品の安定供給」を果たすために、国内製油所での製品化を基本とした「消費地精製主義」が採られていました。

(21)原油備蓄
海外からの原油の輸入や石油製品の供給が途絶えた場合の備えとして行われています。国家備蓄と民間備蓄から成っており、国家備蓄は約85日分、民間備蓄は約72日あります。民間備蓄の義務は70日分であり、元売会社などのほか、製品輸入を行う事業者にも年間輸入予定数量の70日相当分の備蓄義務が課せられています。国家備蓄基地は苫小牧東部(北海道)、むつ小川原(青森)、久慈(岩手)、秋田、福井、菊間(愛媛)、白島(福岡)、上五島(長崎)、志布志(鹿児島)、串木野(同)の10ヵ所があり、各所に150万??〜640万??の原油が備蓄されています。

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