国際用語

(1)API、API度
米国石油協会(American Petroleum Institute)が定めた原油および石油製品の比重を示す単位を「API度」という。水と同じ比重を10度とし、数値が高いほうを軽質と定めている。原油の場合、39度以上を「超軽質」、34〜38を「軽質」、29〜33を「中質」、26〜28を「重質」、26以下を「超重質」といい、一般に軽質原油のほうがガソリン成分を多く含み高額で取引される。また、潤滑油の中で自動車用(モーターオイル)に使用されるガソリン車用のSA(〜SJ)、ディーゼル車用のCA(〜CF)のグレードおよび使用区分を示す記号は、「APIサービス分類・規格表」に基づいて用いられている。

(2)CIF
貿易の取引条件のひとつ。運賃保険料込み値段。コスト(=C)、インシュランス(I)、フレート(F)の合計値で、原油CIFの場合、産油国からのタンカー輸送費と保険料を含んだ価格を指す。FOB [ 別掲参照(3) ] に仕向港までの保険料と運賃を加えた価格。

(3)FOB
Free On Boardの略で、貿易の取引条件のひとつ。本船渡し値段ともいう。売主は買主の手配した船舶などに、契約した貨物を指定された港で積み込めば引き渡し義務を完了する。ここまでの費用を含んだ価格をFOB価格といい、この後に発生する輸送費、保険料を含んだものをCIF [ 別掲参照(2) ] 価格という。

(4)IEA
International Energy Agency(国際エネルギー機関)の略称。先進国クラブと称されるOECD(経済協力開発機構)の下部機関として1974年11月に米国の提唱で結成された。当初はOPEC産油国の価格カルテル政策に対抗する性格が持たされたが、現在は先進国石油消費国が 1.石油備蓄の拡充(90日間の義務)2.緊急時の石油需要抑制措置 3.前記を実施したうえで、一定以上の不足をきたす国があった場合は、加盟各国が分担して石油を融通する緊急融通制度 4.代替エネルギーの開発−−で協力体制をとることに重点が置かれている。加盟国は日本を含めて24ヵ国。本部所在地はフランスのパリ。

(5)COP(気候変動枠組条約締約国会合)
Conference On Grobal Warming Partiesの略称で、COP3は京都で1997年に160ヵ国代表が参加して開催された「地球温暖化防止京都会議」の略称。COP3では日本や欧米先進各国、ロシアなど36ヵ国(ANNEX I、条約付属書締約国)に対する2008〜12年を目標年とする温室効果ガスの排出削減量を設定した。日本の削減値は1990年比6%。米国は7%、EUは8%。36ヵ国平均削減値は5.2%。*

(6)インディペンデント
原油の探鉱・採掘部門の上流から、精製・物流・販売に至る下流部門までの一貫操業体制を持っている石油会社の中で、主に米国内に限定して下流部門を展開している民間資本の石油会社の総称。Phillips、Conoco、Occidental、Sunoco、Pennzoilなどがある。

(7)ジョバー
米国内においてガソリンなどの流通に大きな役割を果たしている。「ブランデッド」と「アンブランデッド」の2形態があり、前者はメジャーやインディペンデントの系列に属し、自社ターミナルなどの独自の物流を持つ。後者はメジャーなどから完全に独立したターミナルを有し、製品をスポット市場やターム契約で購入、独立系のSSに供給したり、自社SS網に独自ブランドで販売している。メジャー各社の合理化に沿って、次々に製油所やSS網を買収したTOSCO社は、米国内で最大の精製・SS網を有する事業者へと急成長した。仲買人、卸売業者と訳されるが、日本国内に類似する事業体はないとされていた。近年は特約店や総合商社系の一部に近い形態が出てきた。

(8)OPECバスケット価格
OPEC [ 別項参照−消費者(1) ] の原油価格指標。1986年から非OPECの 1.メキシコ・イスムス原油とOPEC加盟国の 2.サウジアラビア・アラビアンライト 3.インドネシア・スマトラライト 4.アラブ首長国連邦(UAE)・ドバイ 5.ナイジェリア・ボニーライト 6.アルジェリア・サハラブレンド 7.ベネズエラ・ティアファナライト−−の6原油、合計7原油の加重平均価格を指標としている。2000年3月の総会で制定したプライス・バンド [ 別掲参照(19) ] の指標として採用されている。

(9)スポット
長期契約以外の調達物で、原油の場合、タンカー1隻分などの1回限りの原油購入取引をいい、石油会社が産油国やメジャー [ 別項参照-消費者(2) ] から期間を決めて購入するターム原油 [ 別項参照(10)] 以外での調達を指す。当用買いとも言われる。スポット原油としては、WTI [ 別項参照(13) ] やブレント [ 別項参照(14)] 、ドバイ [ 別項参照(11) ] が代表的で、世界の原油価格を決定する上で、重要な役割を果たしている。

(10)ターム原油
3ヵ月または6ヵ月以上の長期購入契約の原油取引を指し、国内への原油調達の大勢を占める。当初は産油国などの公式販売価格によって価格決定がされていたが、スポット価格をベースに価格決定がされる仕組みへと移行している。

(11)ドバイ原油
世界3大ベンチマーク原油の一つ。アラブ首長国連邦(UAE)を構成するドバイで産出される原油で、スポット市場 [ 別項参照(9) ] での取引が多い。バスケット価格 [ 別掲参照(8) ] の指標油種であるとともに、オマーン原油 [ 別掲参照(12) ] との加重平均が日本国内向けの中東産原油の価格指標となっている。産出量が日量20万バーレルと少なめで、投機性の高い値動きを示すことがある。原油持分は米CONOCO社35%、仏トタールフィナ・エルフ社25%、西レプソル社25%、ドバイ政府15%など。API度 [ 別掲参照(1) ] は31.7。硫黄分は1.93%。

(12)オマーン原油
オマーンで産出される原油で、ドバイ原油 [ 別掲参照(11) ] との加重平均が日本国内向けの中東産原油の価格指標となっている。持分はオマーン政府が60%、R.D.シェルが34%など。API度 [ 別掲参照(1) ]は35.0と軽質。硫黄分は0.96%。

(13)WTI原油
ウエスト・テキサス・インターミディエートの略で、米国テキサス州沿岸部で産出される。NYMEX [ 別掲参照(50) ] に1983年から上場され、世界最大の先物取引量によって、世界の原油価格の指標油種としての地位を築いている。現物産出量は日量150万バーレル程度。API度 [ 別掲参照(1) ]は44.0で超軽質。硫黄分は0.22%。世界3大ベンチマーク原油の一つ。

(14)ブレント原油
北海油田の英国領海の北部のBrent油田で産出される原油で、IPE [ 別掲参照(50) ] に1983年から上場されている。北海の主力油種のフォーティーズが価格連動することで、欧州向け原油の指標とされ、NYMEXのWTI原油 [ 別掲参照(13) ] と並んで、世界の原油市場をリードする。現物産出量は日量80万バーレル程度。API度 [ 別掲参照(1) ]は38.0。硫黄分は0.38%。世界3大ベンチマーク原油の一つ。

(15)DD原油
(Direct Deal)の略で、産油国(または国営石油会社)と消費国石油会社との原油取引。石油メジャー [ 別掲参照-消費者(2) ] や商社、ブローカーを経由しないで調達するもので、メジャーからのターム物 [ 別掲参照(10) ] と並んで、現在の国内原油調達の大勢を占める。

(16)GG原油
(Government to Government Deal)の略で、原油の政府間取引。DD原油 [ 別掲参照(15) ] が単なる原油取引であるのに対し、GG原油は産油国の求める工業化、経済開発計画の推進のための資材や技術の提供が行われるのが普通で、こうした取引の性格上、長期で大量の取引につながる可能性が高い。石油危機などの供給不安の高い時代に、多く用いられた手法。

(17)原油埋蔵量
原油資源量の総量を示すもので、地下にもともと存在した総量を「原始埋蔵量」という。すでに発見され、今後、経済的に生産可能な埋蔵量を「可採埋蔵量」または「確認埋蔵量」という。発見されてはいないが、原油産出の可能性が確実な数量を指す「追加埋蔵量」と「可採埋蔵量」の合計を「究極可採埋蔵量」といい、消費量・産出量を基本に1998年ベースで、その資源の寿命を現す「可採年数」は約71年分あるとされている。

(18)原油タンカー
原油の海上移送に使用する船舶の総称で、一般に20〜30万重量トンの原油タンカーをVLCCといい、30万重量トン以上の原油タンカーをULCCという。ULCCは積出港と受入港の施設の双方の制約が大きく、運送効率がVLCCよりも悪くなることが多くなったため、原油タンカーの主力はVLCCに再移行している。現在就航中の最大のタンカーは「ヤーレバイキング」で、56万重量トン、全長440メートル、幅69メートル。なお海上での原油流出事故を防ぐために、5千重量トン以上の新造船は1996年7月以降、ダブル・ハル(二重殻構造)方式またはミッド・デッキ(中間甲板)方式での建造が義務付けられている。

(19)プライスバンド
2000年3月にOPEC総会で導入が承認された「目標価格帯制」と訳される原油価格安定化対策で、原油価格を1バーレル22〜28?の水準で安定させることを狙っている。OPECバスケット価格 [ 別掲参照(8) ] が20営業日連続で、このレンジを外れた場合、OPEC加盟国は、その生産枠の割合で自動的に合計生産量を日量50万バーレルの増産・減産を行う、とするもの。2000年10月31日に、初めてプライスバンドによる増産が実施された。

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